園長の部屋

第29回 闇夜にひらく曼荼羅華~チョウセンアサガオ

場所 緑陰広場

更新日 平成24年9月14日

チョウセンアサガオ
チョウセンアサガオ(朝鮮朝顔)

秋の夜長に,虫の音を聞きながら,ほんのり香る夜に咲く花を観賞するのも風流ですね。

植物公園では,園長の「夜に咲く花,名月とともに」をテーマとした「趣味の園芸」出演にあわせ, 撮影に使った植物の一部を展示中です。

今回は,朝まで花が咲いており,薬学史の中でも重要な役割を果たした「チョウセンアサガオ」をご紹介します。

インド原産で,高さ1.5mになる1年草です。 6月から10月にかけて,ラッパ型の花が咲きます。 花は,夕方6時ごろ咲き,翌日の昼前にはしぼんでしまう1日花です。 花後に,短い刺が付いた果実がなりたくさんの種子ができます。

和名の「チョウセン」は地域を表すわけではなく,海外から入ってきたことをさしています。 また,「アサガオ」も花の形が似ていることにより命名されましたが,まったく別の仲間です。

江戸時代に薬として使われていた!

江戸時代に薬草として輸入されました。 毒性が強く「キチガイナスビ」という別名もあり, 現在でも誤って食べてしまい食中毒を引き起こしています。この仲間は,いずれも毒性が強いため,触ったら手をよく洗いましょう。

薬草としての「チョウセンアサガオ」 は,江戸時代の医師・華岡青洲が乳がん手術 の全身麻酔薬の原料として使用したことが有名です。 用いた麻酔薬は,「通仙散」といわれ,ほかに川弓(センキュウ),当帰(トウキ)などいくつかの植物が 含まれていたようですが,詳しくは伝わっていません。

水戸藩の名医として知られる弘道館医学館教授の本間玄調は,華岡青洲に学びました。 帰郷後,水戸藩で乳がんの手術に成功し,後にその麻酔法を改良しさらに技術を発展させました。

エンゼルス・トランペット
★チョウセンアサガオの仲間たち

ヨウシュチョウセンアサガオなど,いくつかの種類があるとされ,分類に混乱があります。

園芸種としておなじみのエンゼルス・トランペットは,「キダチチョウセンアサガオ」とも言われ,木になります。 以前は,チョウセンアサガオと同じ「Datura属」とされていましたが,現在は「Brugmansia属(キダチチョウセンアサガオ属)」とされています。

夜咲く花
夜咲く花

チョウセンアサガオ,ヤコウボク,オシロイバナ, ユウガオなど夜に咲く花を展示しています。 チューベローズも近日中に開花見込みです!

開園時間中に見ることができる夜に咲く花

みなさまのご来園を心よりお待ちしております。